値切るのが好きな人も苦手な人もいるよね。
東京と大阪では、値切りの感覚が違うように、地域性による違いもあるよね。
また、百貨店の店頭で値切る人はいないけど、問屋街では値切ることが当たり前みたいに、販売店によっても違うよね。
もっとも、インターネットの普及で、値段がオープンに提示され、容易に比較できて、値切る必要がない場面も増えた。
なによりも、値段に対する透明性があがった。
お父さんは、仕事で、金額交渉を日常的に行っている。
だから、値切る方、値切られる方の両方のことがわかる。
どちらの金額交渉もしているから。
例えば、必ず見積り金額から値引きを要求するお客様がいるとする。そういう人は、見積り金額の理由や内容など関係なく、とにかくまず、値切る。
値切るところから始める。値切れたら、納得してくれる。
こちらも毎回のことで、それがわかっているから、値切られることを想定した見積書を作成してしまう。
相手に対する誠実さでは、問題があるかもしれないが、値切ることが前提で、金額が正当か否か考慮をしない相手には、いたしかたないと思うようにしている。
反対に、自分が見積りに対して判断する場合、まずは見積り内容を精査する。
自分で納得できれば、値切ることはないが、金額に納得いかない場合は、相手に金額の根拠などの説明を求め、それでも納得がいかなければ、はっきりと値切る。
自分なりに、見積り内容の価値を図り、それに対して返答する感じ。
むやみに値切ることをしない。
そこで、心配になるのは、相手があらかじめ、お父さんが値切るだろうことを前提とした金額を提示したのに、値切ることなく、発注してしまった場合のこと。
値切る想定分だけ、お父さんは高く発注してしまった事になる。
不安になることもあるけど、自分が納得した金額なら、たとえ高く発注したとしてもしょうがないんだよね。
ところが、この不安を解消する方法が一つある。
それは、比較すること。
同条件で、見積りを複数に依頼する。
そうすれば、高く発注したかもしれない不安は取り除かれる。
ただし、見積り作業にはコストがかかることを理解するべきで、むやみやたらに複数で比較ばかりすると、相手から真剣に見積りされなくなってしまう。

値切るのも値切られるのも、そして比較するのも節度が必要になってくる。
節度がないと相手にされなくなる。
節度とは、正当性のある金額提示と判断、そして請け負ったことの責任感。
金額が正当かわからないことがあるよね。
そんな時は、相手にはっきりと尋ねればいいんだ。わからないことを聞くことはお互いのためになる。
反対の立場なら、きちんと答えられる正当性のある金額を提示しないといけない。
揉めたときには交渉時の何倍も大変なことになるから、金額の合意は、きっちりとしないといけない。
これが、金額交渉の基本だと思っている。
節度のある相手との取引は気持ちのいいもので、継続的な付き合いをしたくなるんだ。
節度もなにもない、理不尽な対応を要求する相手もいる。
そんな相手には、はっきりと断って、仕事をしない。
仕事を断るっと結構勇気のいることだけど、それができるのは経済的に断っても大丈夫なくらいの余裕があるから。
そういう精神的な余裕のためにも貯蓄や内部留保は必要だと思う。