社交上手な人っているよね。
どんな人を思い浮かべる?
誰とでも容易く仲良くなって、すぐに一緒に飲みに行ったり、バーベキューとかして、いつも周りにはたくさんの人が集まっている。
知り合った途端から、気安く◯◯ちゃんとか呼べて、人付き合いの垣根がメチャクチャに低い人。
そんな風な人を、お父さんは社交上手な人だと思っていたの。
きっと人気者で仕事でも営業成績はいつもいいだろうなって。
お父さんには、とてもできないし、そんな人が羨ましかったんだ。
そんな人は、まず熱量がすごいよね。人付き合いの距離感も近いし。
自分のペースに人を巻き込むエネルギーを発しまくっている。
ある時、外資系保険会社の支社で営業成績1位の人を紹介されたの。
フルコミッションの超競争会社のNO.1だから、熱量MAXのイケイケ営業マンかと思ったのに、あらわれた営業マンは、無地の紺色のスーツに白いシャツ姿で喋り方もぽつりぽつりと話す、どこにでもいそうな普通の営業マンなの。
その話を、不動産仲介会社に勤務している知人にしたら、「うちの会社のNO.1も、そんな感じだよ」って言うの。
営業成績がいいタイプは、真っ黒に日焼けして、派手なスーツを着て、ワイワイとしている人じゃない。
その時は、社交上手と営業上手はリンクしない。くらいに思ったんだ。
それからも、お父さんは、イメージしていた社交上手タイプの人たちを見つけるたびに観察したんだ。
例えば、誰とでもすぐに友達になれて、知り合いの多さが自慢の人がいたの。
その人は、宴会の場では、周りの人を最高に楽しませて、とにかく盛りあげ上手なんだ。
そんな社交上手な彼を、宴会で一緒に大騒ぎして、楽しんでいた周りの連中が蔭では「お調子者」扱いしているの。
彼の気軽に知り合いになれる能力を周りの連中は、軽い付き合いばかりしているように思っている。
本当に怖いよね。
すぐに知り合いになれる能力をポジティブにもネガティブにも思われるのだから。
そんなこともあって、社交上手と友達作り上手はリンクしないこともわかった。
そうなると、お父さんのイメージしている社交上手なタイプ自体がほんとうの社交上手じゃないとわかってくるよね。

そんなこんなで、今、社交上手な人って、人との距離感のとり方が上手な人だとお父さんは思っている。
相手との心地よい距離、相手の心理状況を察して、距離感を変えることができる。
柔軟性のある付き合い方ができる人が社交上手と言えるんじゃないかな。
そういう人は、間違いなく相手をよく観察しているよね。
そして、相手を察したうえで、それぞれの距離に対応している。
相撲で言ったら「横綱相撲」
自ら仕掛けていかずに、相手の攻撃を見極めて、余裕でぶん投げる。
では、どうしたら社交上手になれるかな?
正直、お父さんはわからない。
これって、生まれついた才能だと思うもの。
後天的に身につけるのは難しいと思うよ。
だから、お父さんは、無理なことを目指すより、社交下手にならなければいいと思っている。
社交下手は上手の反対だから、相手との距離感に関係なく、自分の距離感だけで付き合おうとすることだよね。
社交下手は、時に強引と思われるし、孤立する可能性がある。
たまにそんな付き合い下手でなった孤立状態を「自分の世界観をもっている」と勘違いしている人がいるけどね。
最後に、社交上手とは別カテゴリーで「人たらし」「人の懐にはいるのが上手」な人がいるのよ。
可愛がれ上手で、本当に羨ましい。
これこそ、天性のもの。
でもね、自分でこの才能がわかったうえで、この能力に溺れると太鼓持ち人生が待っている、取扱注意の能力なの。