「顔にだすな」
お父さんが子供の頃、お母さん(太郎のおばあちゃん)からいつも言われた。
ふてくされた表情をしていると、ほっぺをつねられた。
「人前でそんな情けない顔をするんじゃない」と。
「不満や辛さ怒りといった負の感情を表情にだすな」ということ。
両親から何か言われた記憶がほとんどない中で、この言葉だけは覚えている。
と言うか、今でも負の感情をもった時にいつも「顔にだすな」と思ってしまう。
そのくらい強烈に染みついている。
そして、歳を重ねるほど「顔にだすな」は、とても粋な言葉で、お父さんの理想とする人を一言で体現していると思う。
また、不満や辛さだけでなく、不安で心配な時がある。
そんな時も、顔にだしたくない。
明治生まれのおじいちゃん(太郎の曽祖父)は、「泣いても助けてくれない」「自分で解決しろ」って言っていた。
一般的に見ても、負の感情を表にだすより、ださない方がいいと思うんだよね。
ゴルフやテニスなどでミスした時には、一瞬、感情的になった方が、その後冷静になれるようなことを心理カウンセラーが言っていたけど、みっともないと思うの。
クラブやラケットを地面に叩きつける行いって、自分の弱さをモノにあたって晴らしているだけだよね。
文化的、民族的な違いってあるけど、怒りを表情にださずに冷静で落ち着いて見える人は、どの文化でも尊敬されると思うよ。

負の感情と反対の「喜び、嬉しさ、感謝などの気持ち」は、MAXで顔にだすべきだよね。
負の反対、正の感情は、表情にだす。
嬉しさや感謝などの気持ちは、相手にわかってもらうべきなんだ。
だから、思いっきりの笑顔になりたい。
ちなみに、大人になってからの笑顔ってむずかしい。
笑顔が素敵な人は皆、人気者だよね。
これも特技の一つだと思うんだ。それもスペシャルクラスの。
気をつけたいのは、大声で笑う人。
無理に笑ってる感あるし、バカっぽく見えるから、やめたほうがいい。
ということで、「顔にださない」は我が家の家訓にしようと思っている。
そのくらい大切にしたい。
将来、「我慢」って言葉は、死語になるかもしれない。
そうであっても、我が家は「我慢」して「顔にださない」家系でありたい。