現金の価値を歪めようとする話が多すぎる。
投資と貯蓄の区別をせず、投資からの視点だけで、現金で所有する者を愚か者扱いするような者がいる。
ところが、そんな話をする者たちこそ、現金を必要としている者たちだから。
順位付けをするなら、まずは貯蓄。
それから、投資。
それなのに、貯蓄をせずにお金を増やそうと投資をしてしまう。
国がNISAのように税制優遇措置を設けて、投資させるのに躍起になっているもの。
流されるよね。
夢のような投資話に憧れるより、まずは、コツコツと一定額の定期預金をするべきなんだ。
そもそも、仮に10万円を投資運用しても、運用益は僅かなもの。
10万円の投資に労力を使うなんて、もったいない。
そういう話をすると、「投資に対する意識づけが必要だから、投資額は関係ない」とか、挙句の果てに、「子供の時から投資を学ばせるべき」という話にもなってしまう。
二宮尊徳も「道徳なき経済は犯罪である」と言っている。
道徳を学び経験する前から投資を学ばせてどうするのよ。
ちなみに、「経済なき道徳は寝言である」って先にあるの、さすが、二宮尊徳!

現金は、保険にもなるんだ。
天災時でも経済的な有事の時でも、現金に勝るものはない。
そんな事態になると「キャッシュ イズ キング」って言い出す。
平時では平民扱いで、有事になると王様扱いになるんだから、現金も大変だよ。
また、現金は、安心感を与えてくれる。
現金を持っていると、心強いよ。
例えば、突然仕事を解雇されても、現金の貯蓄があれば、求職期間中も余裕が持てる。
切羽詰まった表情より余裕の雰囲気を醸し出した方が良い結果になるだろうし。
日本在住のロシア人ユーチューバーが、日本人の「子供の時にもらったお年玉を貯金する」行為に驚いていた。
ロシアは、インフレ率がすごく、現金が信用されていない。
日本の経済安定性に驚いたっていう話なんだけど、バブル崩壊後、逆に日本はデフレで、現金の価値が上がっている。
だから、現金の貯蓄が、いい投資にもなってしまった。
実のところ、投資の話ばかりする者は、現金を持っていない。
しかも、換金制の悪い投資だったりするから、オンジエッジ状態なんだ。
そんな人たちは、危機や危険が、身近にあることを隠しながら、自信満々に過ごしている。
いつでもキャッシュ イズ キング
王様は大切に、そして敬うべき。