言葉だけへりくだる

世の中、謙譲語が溢れている。

そもそも相手への敬意を表す言葉として敬語がある。

敬語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語のおおよそ3つに分けられる。

テレビでは芸能人が意味不明な謙譲語を話している。

◯◯させていただく。

ご結婚させていただく。

みたいな言葉聞かない?

謙譲語は、相手に対してへりくだる表現のはず。

結婚相手に、「させていただく」しかも結婚の前に「ご」を付けて、訳のわからない敬語で結婚報告をする。

「言う」の

尊敬語は「おっしゃる」

謙譲語は「申し上げる」

丁寧語は「言います」

となる。

たぶん、芸能人だと「申し上げさせていただく」ってなるはず。

ダブルな謙譲語

謙譲語がこれほど使われるようになったのは、10年くらい前から、ミスタープロ野球の長男タレントが、意味や使い方を理解せずに謙譲語もどきの言葉を使い出して、それを芸人たちが真似しだした頃から流行りだした気がする。

そもそも、言葉の意味や使い方は時代とともに変わる。

変わることは、わかっている。

また、自分は正確に敬語や言葉を使えているのか?

と言えば、そんなことはない。

問題というか気にいらないのは、インチキな謙譲語を話す本質は「相手に対してへりくだった態度をとっていれば間違いない」という、本当のところ相手への敬意がないことが透けて見えるからなんだ。

インチキな謙譲語を発すると、嘘っぽく感じる。

人との付き合いで、特別に相手を上げたり、自分を下げたりするシチュエーションは、それほどないはず。

そして、へりくだった言葉や態度での付き合いは、長続きしないし、へりくだった態度を求めるような相手とは、付き合う必要がない。

私見ではあるけど、相手への敬意は、丁寧語を使うと一番きれいに伝えられると思う。

相手を持ち上げたり、自分がへりくだることなく丁寧語の「です」「ます」を使えばいい。

もっと言うと、訳のわからない謙譲語を話す人は、相手にきちんと気持ちを伝える気がない人のように見える。

気を遣っているようで、実のところ、粗っぽいんだよね。

「◯◯させていただく」は取扱い注意。

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