職業人・専門家、いわゆるプロが考えたものより、主婦の思いつきで、小学生の発想で、街の発明家によって、いわゆる素人が考えたモノがヒット商品になることがある。
職業人・専門家、いわゆるプロは、どんな商品が売れるのか、この技術を使ってどんな商品ができるのか、この商品をどんなところで、どんな人に売ったらいいのか、どうやって知ってもらうのか、というようなことを毎日、何時間も考え続けている。
普通は、素人が、知識も経験も時間もかけているプロに勝ることなどないはずだ。
ところが、素人企画が受けてしまうことがあるのだ。
しかも、ここで言う素人とは、プロに近く、プロを目指しているようなレベルではない。
Jリーグのチームを破る大学生のチームではなく、サッカーの経験がないようなアマチュアがJリーグのチームに勝利してしまうようなことである。
お父さんは、この手の成功談があまり好きではない。
このような成功談は、「プロが思いつかなかった、素人ならではの発想」的な称賛で締められる。
ただ、素人企画でヒット商品が生まれるのも事実である。
そんな時に、賢者たちは「今、素人の目線を持てる、プロが求められている」とつぶやいたりする。
ここでは、素人の企画や思いつきではなく、目線や視線となる。
こちらの方が、何となくスッキリする。
サッカー未経験者が勝利するのではなく、Jリーグのチームに強くなるアドバイスをする感じだろうか。

実は、プロほど、安心、安全、便利な機能や付属品をつけたくなってしまう。
だから、世の中、使いこなせない機能満載の商品が溢れている。
そこで、素人目線で、必要な機能に絞ったり、機能を疑った商品がヒットする。
結局のところ、素人の発想とは、「選別能力」のことじゃないかな。
専門的になるほど、何かを絞る作業は難しくなるし、勇気が必要になる。
今回の話で伝えたいのは、プロとしてプライドを持って仕事をすべき。
一方、素人の目線(選別能力)は必要ということなんだ。
選ぶことに慣れていない人にとっては、選択肢を制限する、もしくは無くすことが必要なことがある。
10種類のジャムを揃えたお店より、選ばれた3種類のジャムしか扱っていないお店のほうが売上が高いことがある。
いわゆる「ジャムの法則」
数多くの選択肢があるより選択肢を絞った方が、効果があると言われているからね。
プロになるほど、失敗した経験や、安全にという名目で武装したくなるの。
人生の選択肢も絞った方が、自分で選びやすくなるかもよ。
仕事に慣れてきたら、素人目線の選別を意識したい。