お父さんは、40歳半ばまで、あまり考えることもなく、お金を使っていた。
使い方より、「お金をどう稼ぐか」ばかり考えていた。
だって、稼がないと使えないもの。
これは、ある一面から見れば正解だけど、本質的には間違っていると思うようになった。
常に流行りのスーパーブランドを身につけ、最新の高級車に乗っているお金持ちの知人がいる。
一方、子供の時に始めた剣道を、今でも真摯に続けて、技の向上や子供たちに剣道を教えるためにお金を使っている普通の会社員の知人もいる。
嗜好の違いと言えば、それまでだし、極端に違う2人ではあるけど、剣道を続けている知人の方が、カッコよくないか。
スーパーブランドの知人のようなお金の使い方は、快楽的な使い方であって、自分を向上させたり、次の稼ぎにつながるようなものではないよね。
お金がなくなった時点でジ・エンド。
ところが、剣道の知人なら、自分の満足だけでなく、子供たちのために“人への繋がり”にお金を使っているから、きっと見えない財産が蓄積されているはず。
だから、お金は、「どう稼ぐか」より、「どう使って」、「稼ぎにつなげる」かを、もっと考えてもいいと思うようになったんだ。
では、どうお金を使ったらいいのだろうか?
結論から言うと「なりたい自分になるためにお金を使う」この目的のために、お金を使うべきだと思っている。
もちろん、家族ができれば、「なりたい家族になるためにお金を使う」というように、人生のステージに合わせて、なりたい◯◯は変わるけどね。
太郎に身につけてもらいたい性質の一つに「明確な思考」があるけど、思考を実現化するために、お金を使って欲しいということなんだ。
なりたい自分をイメージして、戦略的にお金を使ってもらいたい。
よく言われるけど、「お金は手段であって、目的ではない」
お金を使って、何をするかが大切だから。

預金残高を眺める楽しみを否定はしないけど、それは、風景の乏しい、安全運行の人生列車に乗車しているようなもの。
もちろん、貯蓄は、万能な保険になるけれども、貯蓄だけが目的になると本末転倒感がある。
そういう人は、お金そのものが好きなんだよね。
紙幣をモノと同じように好きなんだと思う。
好きだから、使わずに手元に貯めるんだよね。
話を戻すと、「なりたい自分」が、スーパーブランド君や、記帳大好きちゃんでもいいんだろうけど…。
やっぱり違うんだよな。
こんなことを言うお父さんは、散々いろいろなモノを買ってきたから、スーパーブランド君の気持ちは、痛いほどわかってしまうけど。
でもね、モノを買ってきたことが、自分の身にプラスになったと思えることは、本当に少ない。
何を買ったかすら覚えてないもの。
ところが、20代前半に約1年間海外を旅したことは、貴重な経験であり、自信なっていると思えるんだ。
今の自分が形成された、よい部分は、acted からであってbought からではない。
だから、直接お金で買えない act に、お金を使ってもらいたい。特に20歳代は。
モノはいつでも買えるし、必要以上の貯蓄より自身の act にお金を使った方がいい。
そして、自身の act に使ったお金は、いい方向につながる可能性が高い。
スーパーブランドのバッグ代30万円と英会話教室の授業料30万円。
どっちの30万円の方が将来的に有益か、わかるよね。
だから、buy より act 優先 なの。
ただし、注意してほしいのは、「なりたい自分」は容姿を含めてだから、身なりを整えることにもお金は使うべきだからね。
そこは buy だから。
「どう使う」を考えて実行した結果、「稼ぎ」への道につながると思っている。
そうすると、もれなく正しい貯蓄もついてくるはず。